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2017年12月 7日 (木)

子どもの作品でわかる心配りのスキル

お子さんがお友だちとの接し方に問題があると感じているというお母様のお話などを聞くと、そのお子さんの作品には共通する部分がある事に気がつきます。

それは、出来上がりの汚れが多いこと。

ここでいう 汚れ は、不器用だからだとか、せっかちだからだとか、塗り方が荒いのでとか…そういうことではぜんぜんなく、
いわゆる汚れてしまっている作品のことです。
これは決してクオリティの問題ではなく、紙がぐしゃぐしゃだったり、破れちゃってるような作品などのことです。
他には…
のりのはみ出し過ぎ
汚れた手で触ったから付いた絵の具
汚れた机の上に乗っけて裏がベタベタ
丁寧に扱わないことでできる隙間やたるみ
筆の水分を取らないらからぼたぼたと画面に落ちた色水
執拗に擦り過ぎて毛羽立って穴の空きそうな画用紙
……こんな事です。


これは「気を使う」という事を意識することで解決できることです。

子どもが(今時は大人でも)社会生活の中で、周りに気を使いなさい!と言われても具体的にどうしたらいいのかが難しいと思います。気を使わない人はだいたいいい加減なことをしたり、失礼なことを言ったりやったりするので人や場を不快にさせます。
子どもなんだから失敗して気づくそして直す、これももちろんありますが…でも、気づかなかったら?わざわざきついことを言って良くない所を教えてくれるのは親くらいではないでしょうか。
そして本人もたくさん傷つくことになるのです。


しかしこれが制作の中では「気を使う」練習をすることがまったく簡単で、しかも誰も傷つくことがありません。練習もなにも気を使わないと制作はできないんですけどね。

ボンドを付ける時は紙を敷いて、次に付ける時は前の紙が汚れてないか確かめて、ボンドを固定する時は上に薄紙を置いてその上から手の腹を使って優しくしっかり抑える。薄紙を剥がす時もそっとです。まるで作品が生きているように大事に扱います。

絵の具で塗る時はまず、どの位置に筆洗を配置して、筆拭き布、パレットを置くか、どうしたら一番いい状態の絵の具を紙へ運んで行けるのかを考えます。もうとにかく四方に気を配ります。

小さいお子さんが簡単に扱える「クレヨン」や「パステル」これにいたっては気を使い度が大変高く、要注意です。色を変えるごとに手の汚れで白い画用紙を汚さないように確認します。 紙に鮮やかな色彩が映えるためには余計な汚れは禁物です。

細々神経質になり過ぎるとのびのびと大らかな創作ができないのでは?萎縮してしまうのでは?と考えるのは違います。大らかさや大胆さと心配りとは別な次元の話です。

鉛筆を使う時、子どもたちは消しゴムを使いたがります。しかし、消しゴムは紙を傷つけるので出来るだけ使わないようにしてもらってます。どうしても消したければ別の紙でやり直しますからすごい緊張感です。
そのくらい完成作品の美しさにこだわることで、自然に気を使うことができるようになります。



例えばこのペーパーバッグは平らな一枚の紙から丁寧に切って、折って糊付けして丈夫なように強度にも気を配り、もちろんデザインも考えて…大変心を使った作品です。物を入れた時どうだろう?と常に想像力を働かせないとできません。


でもまったく厳しいことはありません。なぜなら子どもたちはもともときれいに仕上げたいのですから。良いものを作る、そのやり方を習えば喜んで実践します。

『コミュ力』を付けるために苦労している就活生の話を耳にします。気を使うこと、心配りは小さい頃に備えておくべきスキルであるはずです。

周りに気を使いなさい!人の気持ちを考えなさい!と言う代わりに、のりははみ出さないように少しずつ平らに塗ろう、テーブルは作品が汚れるから一度拭こうね、と成ります。
制作は直接的ではないから子どもにも入りやすいし、芸術的な楽しい作業の中で大切なことをたくさん学べる本当の教育であると思います。




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