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2017年10月 6日 (金)

すすめの本「気になる子どもとシュタイナーの治療教育」

障害のあるなしは創作にはあまり関係く、どんなモノが出来上がるのかはそれぞれです。
関係があるとすれば、創作する環境を整えるまです。落ち着いて創作に向かうための心の準備や材料の準備、説明を聞いて理解すること…これらは一般的に見て苦手な子もいます。ただ、障害がある方はそれぞれもつ〝ある分野″に特別苦手であることが多いです。話を聞くことが苦手だったり、気持ちがそれて支度がなかなか進まなかったり、説明の途中でやり始めて新しい紙をもらわなければならなくなったり…でもそれも所詮ただの苦手、上手に導けばちゃんとできます。直ぐにではなくてもそのうちできるようになります。美術は広く、誰もがどの作業も上手くできる訳ではないのですから心配に及ばないのです。
何もない状態から自分でイメージすることが、苦手なを通り越して全然できない子もいます。もちろんレッスンの中に想像を膨らませるトレーニングは必ずありますが、凄い想像力を発揮しなくても別にいいのだと思います。
考えてみれば、具象画家の多くは見たものを描いているんです。ファンタジー無し。
対象をどう見てどう描くか、画家の目というフィルターが個性であったり、メッセージだったり、あるいはちょっとした仕掛けだったり…つまり、見て描くだけでもその人らしい絵になるのです。
障害があるお子さんが普通の子どもクラスで一緒に美術を行うのもとても良いことです。彼らの発想や作業への取り組み方の影響はとても刺激になり価値がありますからみんなにとってステキなことです。しかし、ご本人にとっては、自分のペースできる療育クラスの方が集中できて楽しいと思います。成長も全然違います。
身体の障害や知的障害の場合は自身の自由にならない部分をサポートする何か(設備やスタッフ)が必要なので安易にできるできるとは言い難く、残念ながら今生徒さんはお受けしてませんが、発達障害や診断は無いけれど、少し気になるところのあるお子さんは全く問題なく創作を楽しんでいます。ただし、お受けしているのは美術をすることが負担にならないお子さんだけです。お子さんによっては音楽やスポーツなど別の分野の芸術活動に向いている方もいらっしゃるので、創作が美術である必要はなく、楽しめることをされるのが一番良いことです。

さてこのような思いがあって、この本、「気になる子どもとシュタイナーの治療教育」と初めて出会った時、とても胸を打たれました。

この本が示す、発達障害や少し気になる子どもたちと関わる時に大切な事を私は次のように理解し、実践しています。
…彼らの行動でどうしたらいいかわからないと感じたら、そのような行動が自分の中にもないか探してみる。彼らの行動は誰の中にもあるモノが大胆にデフォルメされているだけなので、そう考えることで彼らにどうしてあげたら良いかを導き出すことができる…
この本には人と関わる時のあらゆるヒントが溢れています。著者が実際に関わったお子さんとのエピソードや相談を受けたケースを基に、丁寧な解説もされています。
…緊張と開放のリズムを取り入れて…例えば絵の具の準備や説明を聞く時の緊張と描くときの開放そして片付けの緊張…
人はリズムを持って生きています。代表的なのは呼吸というリズム…。正しいリズムがあるということはどんな子どもにも大人にも心地よく、成長の助けになることです。
そういう目に見えないけれどとても大切であることをレッスンに潜ませることも、この本からヒントを得ました。

私はこの本を時々読み返しては大切なことを忘れないようにしています。
ご興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。

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